小さな検出器で大きな撮影視野(FOV)を作る工夫、それが「 オフセットスキャン」。
平均的な歯列最遠心7番までの距離が約8cmのためか、歯科用CTの撮影範囲(FOV)は直径8cmの装置が多い気がします。 しかし、8cmのFOVでは8番の水平埋伏智歯の根尖部と歯列全体を同時に見れなかったり、もちろんのこと顎関節は見えない撮影範囲となります(左図:小さな検出器によるノーマルスキャン)。 したがって、広い撮影範囲の診断には大きな検出器の搭載を必要とし(中図)、そんな大きな検出器を搭載した装置も販売されています。 しかし困ったことに、検出器が大きくなると装置の価格が上がってしまいます。
そこで、小さな検出器でも広い範囲を撮影するために、検出器を横にずらして撮影する「オフセットスキャン」という撮影方法があります。 X線が被写体を放射する「投影データ」は半分ほどの範囲ですが、360度X線が回転することで大きな検出器によるノーマルスキャンと同じ広い撮影範囲となります。
ノーマルスキャン |
ノーマルスキャン |
オフセットスキャン |
広い範囲を見るためには大きな 検出器が必要となる |
左端と同じ検出器で広い範囲を見る ために、検出器を横にずらして撮影 |
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FOV:φ8.5cm (7番遠心までの歯列を表現) |
左端と同じ検出器でもオフセット スキャンをすると、φ14cmまで見える。 |